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ジョブ理論とは?事例やフレームワークもわかりやすく説明

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ジョブ理論とはクリステンセン教授が提唱した理論で、「顧客が商品を購入する理由を明らかにして、解決策を提供する一連の考え方であり、顧客のニーズを論理的に把握するための手段」です。顧客が購入する理由を共有し、その解決に結びつくような商品・サービスを提供する場合、組織自体を改革する必要も時には発生します。

ジョブ理論ではジョブの定義を「特定の状況で顧客が成し遂げたい進歩」としています。

いきなりこの文章を読むとイマイチピンと来づらく、ジョブ理論についてわからなくなってしまいますが、今回はわかりやすくジョブ理論についてご説明していきます。特に実際の仕事現場でジョブ理論を実行できるようにするのがゴールと考えているので、是非参考になれば幸いです。

ジョブ理論とは?

ジョブ理論とは、商品やサービスを提供する側がその自身の顧客が商品・サービスを購入する理由を明らかにして把握することで、顧客の解決策を提供する考え方です。つまり、顧客が本当に抱えている課題やニーズを把握するための論理的な手段だと考えてください。

ジョブ理論の定義を「特定の状況で顧客が成し遂げたい進歩」としています。

ジョブ理論では、成し遂げたい進歩に近づくことを「片づける(to be done)」と表現しており、仕事を片付けるイメージです。そして、商品を購入して片付ける場合「雇用する(hire)」という表現を使っています。

マーケティングの神様であるピーター・ドラッカーは、「顧客が本当に欲しいのはプロダクトではなく、彼らが抱える問題の解決策だ」と言っているように、顧客は特定の商品やサービスが欲しくて対価を払っているわけではないということです。

また有名なマーケターとして、セオドア・レビットは例として、「人は刃の直径が4分の1インチのドリルが欲しいのではない。4分の1インチの穴が欲しいのだ」という話もしています。

つまり顧客は、過去から現在において何かしらの問題・課題を抱えており、その問題を解決する(片づける)ために対価を払っています(雇用する)。それがあなたが提供しているサービス・商品であった場合に、顧客のニーズにマッチして売上が上がるため、顧客が抱えている問題や課題を把握して、その顧客に適切に情報を届けることが正しい売上の上げ方です。

顧客の特定の状況から成し遂げたい進歩を見つけ解決する商品やサービスを提供することができれば、顧客はその商品を購入・雇用します。

名前にある「ジョブ」は、日本語では「仕事」と認識されていますので、イマイチわかりづらいかと思います。しかし本来仕事というのは、明確に期間と達成すべき成果が定義されています。そのため、ジョブという意味を広い意味の仕事というよりも、一定の期間にやるべき「任務や用事」と捉えるとわかりやすいと思います。

マーケティングを担当していると顧客は何を買うのか?や、どうやったら買ってもらえるか?という視点で考えがちです。しかしジョブ理論では、顧客はなぜそれを購入するのか?という視点で考えます。

つまり顧客が商品やサービスを購入する理由を明らかにすることで、顧客はなぜそれを購入するのか?に繋がり、その解決策になりえるように商品やサービスをプロモーションすることが本来のマーケティング業務です。

しかし顧客が本来抱えている課題や問題を特定するのはかなり大変な作業です。顧客になりえるであろう人の生活をずっと観察するわけにもいきません。

そこで顧客の行動や購買理由を分析する必要があるのですが、最も優れた方法は商品を購入してくれた顧客にヒアリングすることです。そのためアンケートなどを行っているマーケターの方もいますが、定量調査よりもより詳細な情報をヒアリングするための定性調査を行うことをオススメします。

ユーザーインタビューのコツはこちらの記事をご覧ください。

ユーザーインタビューの3つのコツでユーザーの潜在ニーズを引き出す!マーケター 向けの定量調査と定性調査も解説
今回のテーマは、マーケティングはユーザー調査最も大事ということで日々ユーザーインタビューをやったりしているかと思いますが、ユーザーインタビューの3つのコツについて徹底解説していきたいと思います。 ユーザーインタビューの3つのコツでユー...

現在の顧客は1つだけの課題を持っているわけではありません。顧客によって様々な課題を持っているため、1つの訴求方法では一部の顧客しか取り入れることができない可能性もあります。顧客がどういう状況下でなぜその行動を取らなければいけないのかを徹底的に分析し、ペルソナやカスタマージャーニーの作成をして可視化していきます。そこに顧客が感動するようなストーリーのあるプロモーションを行うことも大事です。

ジョブ理論の提唱者:クレイトン・クリステンセンとは?

ジョブ理論について大まかに理解いただいたかと思いますが、ジョブ理論を提唱した人がいます。それは、「クレイトン・クリステンセン(Clayton M. Christensen)」です。

今日の常識を次々と破壊する人を「イノベーター」と呼ぶことが多い。中には「俺はイノベーターだ。常識外れの挑戦をする」と考えそう振る舞う人もいる。

しかし単に無茶をするだけでは、成功確率は低い。実はイノベーションには、成功パターンがある。これがわかれば成功を運任せにする必要がなくなる。
引用:ジョブ理論 イノベーションを予測可能にする消費のメカニズム

クリステンセンは、「ジョブ理論 イノベーションを予測可能にする消費のメカニズム」の中で、運任せにせずにイノベーションを起こす方法としてジョブ理論を紹介しています。

ジョブ理論では、「ジョブ」「雇用」「解雇」の3つの言葉を用いて商品・サービスを購入する理由を考えており、顧客はジョブという問題や悩みを片付けるために、商品・サービスを雇用(購入)するのか?という視点で物事を考えることで、マーケティングが完成します。

日本人には、あまり「ジョブ」「雇用」「解雇」の言葉に馴染みがないと思いますが、考え方としては、会社で発生したタスク(ジョブ)をこなしてもらうために人を雇用しますよね。この人を雇用するように、商品・サービスを購入すると考えるとわかりやすいです。

ちなみにクリステンセンは、「破壊的イノベーション」の理論を確立しています。破壊的イノベーションとは、既存市場から求められている価値を低下させて、新しい価値を提供するイノベーションのことです。その破壊的イノベーション以外にもう1つイノベーションがあり、それが持続的イノベーションです。

持続的イノベーションとは、既存市場で求められている価値を向上させるイノベーションのことです。

このようにイノベーションには2つ種類がありますが、破壊的イノベーションを引き起こすことによって、競合他社を圧倒するマーケティングになることでしょう。破壊的イノベーションに興味を持った方は是非「イノベーションのジレンマ」を読んでみてください。

ジョブ理論は顧客が成し遂げたい進歩だと理解いただけたかと思いますが、実は「消極的なジョブ」「積極的なジョブ」の2つ存在します。

消極的なジョブとは?

消極的なジョブとは、自分の意思で積極的に成し遂げたいとは思わない進歩です。もっとわかりやすく説明すると、「消極的なジョブ=顧客がやらなければいけないこと」です。

そもそもジョブ理論は、顧客の課題を把握して訴求することと説明しましたが、顧客がどうしてもそれをやらなければいけないという後ろ向きな気持ちのジョブもあると言うことです。つまり元からあまり乗り気じゃないのに、仕方なくやったり、なんとなくやってしまったというジョブです。

例えとして、特に今この瞬間に欲しいと思っていなかったけど、あったら便利かな?というぐらいの必要性であるもので考えてみましょう。

今持っているスマートフォンを4年ぐらい使っていて、ちょっと新しいスマホを購入してもいいかなーと思っているタイミングです。実際今のスマホはまだ電池も持つし、別に特段買わなくてもいいやという状態に、たまたま家電量販店に足を運んだ際に、店員のトークにハマって購入してしまったという感じです。この場合は、顧客が積極的に欲しいと思ったという感じではないため、消極的なジョブとなります。

もしマーケティング担当として、顧客が消極的なジョブで商品やサービスを購入して欲しいと思っているのであれば、そのような顧客に対して競合よりいかに早くに訴求・提供できるかが勝負となります。このような早い者勝ちみたいな状況でのプロモーションも売り上げが上がればマーケティング的には成功なのですが、どうせなら消極的なジョブではなく、積極的に顧客が熱望している方が嬉しいですよね。次は積極的なジョブについてご説明します。

積極的なジョブとは?

消極的なジョブは顧客が特定の状況で成し遂げたいネガティブな進歩という意味でしたが、積極的なジョブとは顧客の意思で積極的に成し遂げたいと思う「やりたいこと」です。

顧客が積極的に成し遂げたいと思うため、ジョブを解決するのにある程度の投資や苦労(調べる時間など)をしている可能性が高いです。人間というのは苦労して手に入れたものは大切にする傾向がありますし、思いや愛着があるため、今後も常に情報を更新したりすることが多いです。そのため積極的なジョブを解決した顧客は長く利用し続けてくれる可能性が高いです(LTVが高い優良顧客)。

例えば、iPhoneのファンは世界中にたくさんいますが、毎年Appleが発表しているiPhoneの新発表に注目が集まっています。これが最もわかりやすい状況かと思います。このような熱烈なファンがいるということは、マーケティング的には大成功で、勝手に商品・サービスが売れていく仕組みにもなります。

ジョブ理論で重要視されるのが「ジョブ」という要素です。ユーザーはサービスや商品、アプリケーションなどを利用するときに、必ず「成し遂げたい目的」がありますが、ジョブ理論ではその目的を「ジョブ」と位置付けて、ニーズを探っています。

つまりジョブ理論を簡単に要約すると「人が商品やサービスを買う行為の背後にあるメカニズムを、論理的に説明するための理論」といえます。

従来までは、この商品・サービスをどうやったら売れるだろう?という視点でしかマーケティング方法を考えないケースが多かったと思いますが、顧客はどんな課題を持っていて、どういう時に解決したいと思うのかという視点がとても大事です。これが判明すれば、マーケティングの業務はほぼ終了というレベルになるかと思います。

顧客に継続的にジョブを解決してもらうのが大事

顧客のジョブが発生するタイミングをしっかりと把握して、商品やサービスを提供でき、売上が上がったとしても、継続的に顧客のジョブを解決し続けられるかは別の話です。

最初の売上を上げることができても、リピートしてもらうという視点でのマーケティングは得意でなかったり、新規にしかそもそも目を向けていないケースが多いです。

ジョブを解決した顧客は、次なるジョブが発生する可能性もありますし、ジョブが変化することもあります。そのジョブをしっかりと把握することによって、一度商品やサービスを購入してくれた顧客がさらなる優良顧客になり得るのです。

Appleを考えてみて欲しいのですが、iPhoneを購入したユーザーは、iPhoneだけでなく、PCを購入するならMacBook、イヤホンを購入するならAirPodsといったように、Apple商品を購入することが多いです。これはスマホが欲しいというジョブを解決したにも関わらず、それとは違うPCやイヤホンという商品を購入するジョブが別で発生したということです。

Appleはちょっと特殊かもしれませんが、ものすごく全体的なマーケティングやブランディングができているお手本のようなマーケティングなので例に出しました。

次からはジョブ理論を取り入れてイノベーションを起こした実例をいくつかご紹介していきます。

ジョブ理論の事例①:サザンニューハンプシャー大学のオンライン課程

アメリカ・サザンニューハンプシャー大学には通信課程としてオンラインがあります。こちらの大学では、ジョブ理論を取り入れる前からオンライン課程があったのですが、そこまで力を入れておらず放置状態でした。

売り上げが低迷してきていたサザンニューハンプシャー大学は、「綺麗なキャンパス、充実した教育」といったようなどこの大学も使っているような売り文句で生徒を募集していましたが、なかなか生徒が集まりませんでした。

そのような状況を打破するために同大学の学長はジョブ理論を学び、「学生が学生が大学に求めるものは何か?」という視点で考えるようにしました。色々と調べている内に、オンライン通信課程には力を入れていなかったのに入学している人がそれなりにいた点に気づき、実際の入学希望者にヒアリングをしました。

そこで判明した事は、オンライン通信課程には社会人の方が入学していました。理由としては、様々な事情によって当時大学には進学せず社会人になった人達が、ちゃんと大卒の資格を取得するために働きながら大学の課程をオンラインで受けるといった人達です。

それを知った学長は、オンライン通信課程の改善を図りました。問い合わせに対しては今まで放置していたのですが、24時間以内に担当者が折り返しの電話をするようにしたり、通信課程の学生ごとに、アドバイザーをつけて、不明点など徹底的にサポートしたりしました。

さらに広告でも社会人が大学で学ぶ必要性や、オンラインであれば働きながら大卒の資格を取得できるといったプロモーションを行いました。

それらの施策の結果、売上が大幅に改善し、ジョブ理論によってイノベーションを起こした大学として有名になりました。

ジョブ理論の事例②:ミルクシェイク

ジョブ理論の事例として最も有名なのが、とあるファーストフード店のミルクシェイクがなぜ朝に売れるかという話です。

ファーストフード店でミルクシェイクを購入している顧客の分析を行ったところ、年齢・性別・職業といった統計の共通項目がありませんでした。1つ共通項目として上がったのは「朝にミルクシェイクが売れている」という点です。

もちろん朝以外にもミルクシェイクが売れていたのですが、それは子供が駄々をこねた際に親がミルクシェイクを子供に買ってあげて機嫌をとる理由です。

しかしそれ以外に朝にも大量に売れている理由が見つかりませんでした。

そこでさらに朝に購入している人にヒアリングを行ったところ、朝の車通勤している人が購入をしていることが判明しました。その理由としては、朝の通勤時はとても退屈しているだけでなく、お腹が減っています。そのお腹を満たすジョブとしてミルクシェイクが最適な雇用(商品)だっということでした。

お腹を満たすジョブであれば、様々な雇用(商品)として、バナナーやベーグルなどもあります。しかしミルクシェイクは、手が汚れずに、運転しながらでも飲むことができますし、粘りがある飲料いうことで、時間をかけて飲むことができますし、お腹を満たしてくれる商品として最適だったのです。このように企業側からはなぜ売れているのかが見えづらいものも、顧客にヒアリングすることでその理由が判明することから、顧客へのヒアリングを行うことはマーケティングを行う上でとても重要な施策とも言えます。

ジョブの種類

ジョブ理論や事例についてご紹介してきましたが、ジョブには大きく以下の3つの種類に分けられます。

  • 機能的ジョブ
  • 感情的ジョブ
  • 社会的ジョブ

その3つについてそれぞれ説明していきます。

機能的ジョブとは

機能的ジョブとは、どのように成し遂げたいのかという視点です。

顧客はジョブがあり、そのジョブを雇用することで解決をしようと試みますが、どのように解決するかという点が重要です。例えばミルクシェイクの場合で考えると、通勤時間の空腹を満たすものという点に対しての雇用ということです。他にもiPhoneの場合は、子供との写真を気軽に綺麗にのこしたいので、iPhoneのカメラ機能を目的に購入するのも機能的ジョブと言えます。つまり3つのジョブの中で最も多いのが機能的ジョブであることが多いです。

感情的ジョブとは

感情的ジョブとは、個人的な感情としてどのように感じたいか?という視点です。

ミルクシェイクの場合は、ミルクシェイクを購入することで自分へのご褒美だったりということです。iPhone以外にもカメラ機能や他の優れた機能を持っているスマホはたくさんあります。しかしiPhoneは値段が高く、ブランド性もあることから、自分はiPhoneを持つことで幸せを感じたりといった個人的な感情を満たすということになります。

社会的ジョブとは

社会的ジョブとは、第三者からどのように見られたいか?という視点です。

ミルクシェイクを子供に購入してあげている自分は、第三者から見て優しい父親であるというのも社会的ジョブになります。iPhoneで考えた場合、iPhoneを購入しているあの自分は第三者からお金を持っている人だったり、最新のiPhoneを持つことで、最先端の人であると思われるのも社会的ジョブになります。

このようにジョブにも3つの種類があり、どこのジョブに対して自社の商品・サービスはどういった雇用を与えられるかを考えてみるとより売上が上がりやすくなります。

ジョブ理論のフレームワーク

ジョブ理論を実践する上でフレームワークがあるの?と疑問に思う方もいると思います。しかしジョブ理論のフレームワークは、4PやSTP分析といったわかりやすいマーケティングフレームワークがあるわけではありません。しかし、ジョブ理論のフレームワークの場合、以下の順番に考えながら進めていくことで、最終的にジョブ理論を実践することができるため、順番にわかりやすくご説明していきます。

フレームワーク①:顧客を定める

既存事業においては、既に顧客が存在しています。そのため、顧客のジョブを発見しやすいのですが、顧客とのタッチポイントなどを分析したりする必要があります。そのためには顧客を特定して、ペルソナや顧客に当たりをつけてユーザーヒアリング(インタビュー)を行いましょう。その際には、定性調査で顧客の深層心理など深く探っていきます。特に、「なぜあなたの商品・サービスを購入したのか?」という点から、購入に至った経緯や理由など深く聞くことが大事です。

フレームワーク②:顧客の状況分析

顧客があなたの商品・サービスを雇用する理由には、ジョブがあります。購入するタイミングと購入した後に利用するタイミングは異なるため、この2つの点で分けて考えてみましょう。

ジョブ理論ではジョブの定義を「特定の状況で顧客が成し遂げたい進歩」とご説明しましたが、特定の顧客が成し遂げたい進歩は何になるかを考えてみてください。その際には「機能的ジョブ、感情的ジョブ、社会的ジョブ」の3種類のジョブでそれぞれ思いつく事象を書き出してみてください。

フレームワーク③:雇用されるための障壁

あなたの商品・サービスを雇用(購入)されるには、顧客が既に別のジョブを雇っている可能性が高いです。例えば、iPhoneを売りたい相手はスマホを持っていない人ではなく、別のスマホやガラケーを持っています。その既に利用しているものよりも価値やメリットがないことには、購入する決定まで至らないため、顧客の購買プロセスを考慮して雇用されるための訴求を考えてみましょう。

ここで障壁を突破できれば雇用されるようになるため、かなり重要なポイントになります。

フレームワーク④:ジョブの解決策を考える

フレームワーク①〜③までの手順で進んできたら、最後に顧客のジョブの具体的な解決策を考えていきます。先程の障壁を乗り越える店にもつながってきますが、自分たちで特定した顧客は、どういった理由でそのジョブを解決したいと思うのかが整理できているので、そこに合わせた解決策を提示してあげればジョブ理論は完成します。

ジョブ理論のフレームワークは他のマーケティングフレームワークに比べてボヤッとしてしているのでわかりづらかったかもしれませんが、自分の商品・サービスに当てはめて考えていけば自ずと理解できると思います。その際には現在の多くの顧客の中から真の顧客が誰なのかを特定する必要があります。そしてその特定した顧客に対して、「なぜその商品・サービスを雇用しようと思ったのか?」という点でヒアリングまで行うことが最も重要です。

ここでもし特定した顧客を間違えていたら、本当の理由にたどり着けないので、もしあとで間違えていたと気づいた場合には、再度顧客の特定から始めてみてください。

ジョブ理論とは?のまとめ

マーケティングで有名なジョブ理論についてわかりやすく説明しました。実際にジョブ理論について勉強しても、実際に自分の業務にどう活用していけばいいのかがわからないという方もいると思います。ジョブ理論は、ご説明したように顧客が抱えているジョブ(課題)を解決するために商品・サービスを雇用します。そのため、顧客が抱えている課題が何なのかを知ることが先決です。

既存事業で既に顧客がいる場合は、既存顧客へのヒアリングを行うことでジョブ理論をスタートすることができます。顧客がまだいない新規事業の場合は、まずはペルソナを作成した上で事業をスタートして、売上が上がる(顧客ができる)というフェーズにきたら、実際の顧客にヒアリングをするという手順がベストだと思います。

ジョブ理論は、現状の課題(売上低迷など)を打破するために行うもので、新規事業においてはまずは事業をスタートしてみることが大事なので、最初からジョブ理論を適用させなくても大丈夫です。ペルソナやカスタマージャーニーの策定のために、マクロ分析・ミクロ分析などマーケティングの様々なフレームワークを用いて事業戦略を立案してみてください。

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