Googleアナリティクス(GA4)

GTMでYouTube動画を計測するトリガーの設定方法

Googleアナリティクス(GA4)
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YouTubeの動画をウェブサイトやブログ内に埋め込みをしている方で、どれぐらいの人が埋め込んだYouTube動画をウェブサイト上で再生されているのかや、どのページでどの動画がどれぐらい再生されているかなど把握したい方が多いと思います。

ちなみにYouTube動画の再生の計測だけではなく、YouTubeの動画が最後まで再生されたかどうかや、〇〇秒まで再生されたなど、自分の好きなように条件(トリガー)を設定することができます。

YouTubeの動画がどのページでどのぐらい再生されているかなどを把握していないマーケターの方やブロガーの方も多いのですが、今回はGoogleタグマネージャーを利用することでそちらの計測をする方法をご紹介します。

ちなみにGoogleタグマネージャーで検索したものをGoogleアナリティックス上でデータとして分析することができます。またそのYouTube動画が再生されたのはどの流入元(参照元)なのかもGoogleアナリティックスで分析することができるため、Googleの凄さを思い知らされます。

YouTube動画計測についての注意点

YouTube動画の計測について興味を持ってこられたかと思いますが誤解を与えないようにあらかじめ注意点をお伝えしておきます。

今回のYouTube動画の計測は、サイトにiframeタグで埋め込まれたYouTube動画の再生の状況をGoogleアナリティックスで分析するための方法になります。

そのためYouTube動画広告の分析や、YouTube自体の再生回数などを見る場合はGoogle広告の管理画面や、YouTubeアナリティックスで確認してください。

YouTube動画計測のための事前準備

YouTube動画の計測をGoogleタグマネージャーでするにあたって、Googleタグマネージャーを事前にサイト内に埋めておく必要があります。そのためGoogleタグマネージャーの存在を初めて知った方は、以下の手順でGTMのアカウントを作成してサイトに埋め込むところから始めましょう。

[box class=”green_box” title=”GTMアカウントの用意”]

  1. Googleタグマネージャーのアカウント(コンテナ)を用意
  2. ウェブサイト(ブログ)内の全ページにGoogleタグマネージャータグを設置する
  3. Googleアナリティクスの計測タグをGTMに設定する

[/box]
Googleタグマネージャーのアカウントを既に持っている方は次の手順へ進んでください。

GTMトリガーでYouTube動画再生の設定手順

GTMを利用してYouTube動画再生を計測するには、「GTMのトリガーを設定 > GTMタグ設定 > プレビューでテスト > Google アナリティクスのリアルタイムでテスト」の順番でご説明していきます。

GTMトリガーの設定方法

まずGoogleタグマネージャーの左タブにある「トリガー」をクリックした後、新規ボタンを押してトリガーを新しく作成していきます。

次にトリガーの名前を入力する必要がありますが、自分がわかりやすい好きな名前を入れてください。私の場合はシンプルに「youtube動画」と入力しました。

次にトリガーの種類を選んでいきますが、「トリガーの設定」の箇所をクリックしてみてください。そうすると右タブが現れて、「トリガーのタイプを選択」するように促されます。

いろいろなデフォルトの設定が既にGTM側で用意されていますが、全て説明していると時間がなくなりますで一部だけ説明しておきます。

  1. ページビュー:最もよく使用され、特定のページをトリガーに設定したい場合は利用
  2. リンクのみ:外部や内部リンクがクリックされたタイミングをトリガーに設定したい場合に利用
  3. フォームの送信:申し込みフォームなどの送信が完了されたタイミングをトリガーに設定したい場合に利用
  4. YouTube動画:YouTube動画の再生や完了等のタイミングをトリガーに設定したい場合に利用

今回はNo.4のYouTube動画のトリガータイプ(ユーザエンゲージメント)を選択してください。

トリガーのタイプをYouTube動画を選択すると以下の画面が表示されます。デフォルトで「開始」、「完了」の2つにチェックが入っています。今回の場合は再生されたかどうかっていうのをトリガーとしたいため完了に入っているチェックを外してください。

ちなみにキャプチャの各項目の意味は以下となります。

[box class=”pink_box” title=”GTMキャプチャ説明”]
開始:動画が再生されると設定したタグが配信される

完了:動画の再生が終了すると設定したタグが配信される。

一時停止、シーク再生、バッファリング:動画が一時停止や、再度再生、動画の事前読み込みにてタグが配信される。

進捗状況:動画の再生が特定の位置(再生割合、時間か選択)になるとタグが配信される。

例えば、10秒以上再生されたかどうかでGoogleアナリティクス側で分析したいのであれば、「進捗状況 > 時間の閾値 > 10」を入れるだけで完了です。
[/box]

話は逸れましたが、設定を再開していきたいと思います。

上級の「すべての YouTube 動画に JavaScript API サポートを追加する」には、チェックを入れておいてください。

このトリガーにチェックを入れると、YouTube iFrame Player APIが有効になり、該当ページのすべての YouTube 動画に、この不足しているパラメータが付加されます。よく意味がわからないという方もいますので、とりあえずチェックを入れておけば問題はないので、入れておくのをオススメします。

DOM 準備完了(gtm.dom):DOM(Document Object Model)の解析の準備が完了した後に実行。

ウィンドウの読み取り(gtm.load):ページの上部コンテンツ全てが読み込まれた後に実行。

コンテナの読み取り(gtm.js):ページ読み取りと同時に実行。

このトリガーの発生場所は、以下2つの方法があります。

  1. 全ての動画
  2. 一部の動画

全ての動画はその名の通りで、サイトに埋め込んだyoutube動画がどれでも再生されたタイミングで発火するトリガーとなります。

一部の動画はある特定の動画のみの再生を条件にしたい場合にはこちらを選んで、条件指定でトリガーの発生タイミングを決めます。

[box class=”pink_box” title=”Video Titleの例”]
例)動画のタイトル内に「トースター比較検証」という言葉が入っていた場合は、「Video Title」を「含む」に設定してあげればそのタイトルがつく動画のみの再生で発火します。
[/box]
もし選択欄に「Video Title」がなかった場合は、以下の項目から追加することができます。

以下の画面に遷移するので、自分の欲しい組み込み変数を選択してください。

今回は「Video Title」を追加したいのでそちらを選択してください。既に設定が完了している組み込み変数は、右端の有効欄に「チェック」が入っています。

こちらの設定が完了したら「保存」をすれば GTMトリガーの設定は完了で、次はGTMタグの設定になります。

GTMタグの設定方法

先ほどまではトリガー(タグを発火させる条件指定)の設定をしましたが、そのトリガーを使ってどのタグを発火させるのかを設定して、トリガーとタグを紐づけていく作業になります。

左のタブの「タグ」を選択後、右上の「新規ボタン」を押して新規タグを作っていきます。

タグの設定は以下画面のとおりにしていただければ問題ありません。

[box class=”yellow_box” title=”YouTube動画測定のためのGTMタグ設定”]
①タグの名前:好きな名前をつけてOKです。私は「YouTube動画再生タグ」にしました。

②タグの種類:Google アナリティクス:ユニバーサルアナリティクスを選択してください。

③トラッキングタイプ:イベント(何かがクリックされたなどをトリガーにしたい場合よく使う)

④カテゴリ:Googleアナリティクスにカテゴリとして返したいデータ(今回はわかりやすいようにyoutube_playとつけました。)

⑤アクション:Googleアナリティクスにアクションとして返したいデータ(ここは{ }を使った動的にそのページのURLが入るようにしています。)

⑥ラベル:Googleアナリティクスにラベルとして返したいデータ(ここは{ }を使った動的にその動画タイトルが入るようにしています。)

⑦Googleアナリティクス設定:ここはどのアナリティクスにデータを返すかを選択します。私はGA(変数)という設定で既にGAの設定をしているためこちらを選択しました。設定していない方は、GAのトラッキングID(UA-〇〇〇〇〇〇〇〇)を入れるなどで自分のGAを選択してください。

⑧配信トリガー:ここがこのタグに紐付けるトリガーの紐付けになります。先ほど作成した「youtube動画再生」のトリガーを選択してください。
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上記の設定ができたら保存ボタンを押してタグの設定は完了となります。

GTMプレビュー機能でタグ発火テストの方法

タグとトリガーの設定が完了したので、こちらを公開する前にプレビュー機能を使って設定があっているかのテストをしていきます。

プレビューボタンを押すと以下画面に遷移されます。

テストするURLを確認して合っていれば、「Connect」を押してください。

接続が完了するとあなたのサイトトップページが開きますので、動画を埋め込んでいるページまで遷移してください。

私の場合は、【トースター比較検証】アラジンが衝撃の美味しさ!口コミと評判は?に埋まっているYouTube動画でテストをしていきたいと思います。

上記のように記事に埋まっている動画を再生するのですが、その前にGTMのプレビュー画面(Google Tag Assistant)と、Googleアナリティックスのリアルタイム画面を開いておいてください。

GTMの場合は、Tag Not Fired(タグ未発火)の欄に「youtube動画再生タグ」があるのでOKです。クリックした後に、こちらのタグがTag Fired(タグ発火)の欄に遷移すれば設定が完了していることがわかります。

そして念のためGoogleアナリティクスのリアルタイムの欄でも計測できているかを見ておきます。

GAの「リアルタイム > イベント」を開いておいてください。クリックして計測できていれば、イベントカテゴリやイベントアクションに先ほど設定したデータが入ってきます。

Tag Fired(タグ発火)の欄に「youtube動画再生タグ」が遷移したのでしっかりと設定ができています。

GAのリアルタイムのイベントにも、イベントカテゴリとイベントアクションのデータがきているためGA側にもしっかりとデータが入っていることが確認できましたので、後はGTMの公開で設定が完了です。

 

GoogleアナリティクスでのYouTube動画の分析方法

Googleタグマネージャーを使ってYouTube動画の再生などが分析できる状態となりました。しかしそれだけではしっかりとした分析ができないので、Googleアナリティックスを使った分析の方法をお伝えしていきます。

方法はいくつかありますが、一番わかりやすいやり方をお伝えします。

それは新規セグメント(属性)で動画を再生した人とデフォルトの設定で全てのユーザーで比較をすることです。

まずは「行動 > すべてのページ > 上部の+セグメントを追加」をクリックすると以下画面が表れます。

こちらで「+新しいセグメント」をクリックしてください。

左タブの「詳細 > 条件」をクリックすると、フィルターをつけることができるので、イベントカテゴリ選択したのちに、絞りたいカテゴリー名を入れるとフィルタリングして分析が可能となります。

私はYouTube動画の再生のイベントカテゴリーにyoutube_playをつけたので、そちらを「含む」にしてフィルタリングします。

セグメント名を好きな名前をつけて保存をしてください。

上記のようにすべてのユーザとYouTube動画再生のユーザとで比較検証することができます。例えば、平均ページ滞在時間や離脱率等で差があればYouTube動画再生のユーザはより温度感が高くコンバージョンしやすい結果が分かります。

またこれをカスタムレポート等を用いてYouTube動画再生のフィルタリングでやることによってどのぐらいコンバージョン数(CV)やコンバージョン率(CVR)も算出することが可能ですが、今回は説明を省きたいと思います。

もしGoogleアナリティックスを使った応用の分析がしたい方は以下から問い合わせください。

[btn class=”rich_pink big”]問い合わせ[/btn]

YouTube動画を埋め込むメリットと効果

メリット①動画の方がテキストより効率的に情報を伝えられる

今やインターネットの速度が上がったことで、動画で情報を取得する人が増えており、特にYouTubeは年々ユーザー数が増えています。ブログ時代から動画時代へと変化がある中で、ブログで流入してきた人に動画で情報を伝えるために動画を埋め込んでおくのはとても効果的です。

なぜなら1分間の動画が伝えられる情報量は、Webページ約3,600ページ分(180万語)となっています。情報社会となっている世の中で、もはやブログでテキストをじっくり読む人も少なくなってきているため、動画を作成するのは時間がかかりますがそれだけのメリットもあります。

メリット②サービスの理解促進につながる

ビジネスモデルは大きくBtoCとBtoBの2つに分かれていますが、リードタイムがそれぞれ異なります。

BtoCの方がリードタイムは短く、すぐにサービスの申し込みや商品の購入をユーザーがしやすいです。

一方でBtoBは、リードタイムが長いため、いかにタッチポイントでユーザーにサービスや商品の理解をしてもらうかが大事です。

サイトに流入してきたユーザーに対して、動画でサービスや商品の理解をしてもらうことによってその後の購入率が違います。

私の経験上では動画があることによってCVR(購入率)が高まったため、なるべくサイトのトップページにはサービス紹介動画を埋め込んでおくことをオススメします。

メリット③SEO効果がある

サイトに動画を埋め込むことでSEO効果があると言われています。

これは動画を埋め込めば必ず検索順位が上がるということではなく、効果があるという点はご注意ください。

色々と理由はありますが、動画を見ることによってページ滞在時間も必然的に高まりますし、サービスや商品の理解度が高まることで、違うページに遷移してもっと情報を得たいとなったりすることもあり、ユーザーの行動にプラスに働くことが大きな要因です。

Googleは、ユーザーにとって有益な情報を与えているサイトやページを上位に表示させることをしているため、その評価をいろいろなポイントでしています。その中に動画というのは当てはまっていますが、全く意味のない動画は逆効果のため、しっかりと有益な情報を与える動画を埋め込むようにしてください。

しかし1点だけ注意点があります。

動画を埋め込んだことによってページの読み込み速度の低下を引き起こして、SEOの評価が下がる可能性もあります。そのためにも動画が再生された場合と、再生されていない場合とでCVRに変化があるかを見極める必要があります。

そのためには今回のGoogleタグマネージャーを使ってYouTube動画再生の情報をGoogleアナリティックスに返す事は大切です。このデータがGoogleアナリティックスに溜まっていれば分析ができるため、YouTube動画の埋め込みによる影響を知ることができます。

GTMでYouTube動画を計測するトリガーの設定方法のまとめ

Googleタグマネージャーを利用することでサイト内に埋め込んだYouTube動画の効果検証をするやり方をご紹介してきました。また設定方法だけでなく、Googleアナリティックス上での分析のやり方もお伝えしました。これらの分析によってYouTube動画がどれぐらいの影響を与えているかなどの効果測定もでき、動画の持つ可能性を感じていただけたと思います。

動画を作成するのにはノウハウ、時間、撮影機材、編集技術など様々なものが必要になります。そのためYouTubeチャンネルを使って集客をしたいと考えている企業や人も多いかと思いますが、まだ経験やノウハウが少ない部分もあり進められていない場合も見受けられます。しかしYouTube動画の効果が目でわかるようになれば、会社の稟議を通しやすくなりますし、そこに「ヒト・モノ・カネ」のリソースを投入するといった決断も考えられます。

まずは1つ2つ動画を作成してウェブサイトに埋め込み、Googleタグマネージャーを使って設定を完了した上で、Googleアナリティクスで効果検証をしてください。

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